#01, 『来迎図にみる雅楽』

仏教、特に浄土教（日本に現存するいくつかの宗派の流れの基。我々浄土宗もこの流れです。）に於いて非常に大事にされているものの一つに、阿弥陀如来と25人の菩薩が描かれている絵図 『来迎図（らいこうず）』 というものがあります。

その菩薩の手には笙や龍笛、琵琶や鞨鼓などの雅楽器や舞の道具を持っておられます。

この絵図はその一例で、知恩院（京都市東山区）蔵の通称『早来迎』と呼ばれている来迎図です。

飛雲に乗り、屹立する山岳を越えて、観音・勢至両菩薩を先導に阿弥陀如来と諸聖衆が往生者のいる館に来迎する様を描いており、『観無量寿経』に説かれる上品上生（じょうぼんじょうしょう）の来迎を表した図様だと考えられる鎌倉時代の作品です。

左の写真は、上の『早来迎』を拡大した一部ですが、阿弥陀如来の後方にあります楽太鼓の周りの聖衆をよく見てみると、この様に各々それぞれに楽器を持っておられます。

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日本雅楽保存会所属
浄土宗福岡雅楽会鎮西樂所
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