現在、音楽の教科書には主に越天楽等の雅楽の紹介が必ず記載されています。

『教科書の域を超えて、生の雅楽に一人でも多くの子供たちに触れてもらおう。』と、ご縁をいただいては様々な学校へお邪魔させていただき、体育館や音楽室等に特設ステージを組んでの演奏や舞楽の披露をさせていただいております。

毎回、演目の合間に時間を設けては、子供たちに直に雅楽器を手にとってもらったり或いは実際に音を出してもらったりと、古くからあるものの現代では普段なかなか接することの出来ない日本の文化を、出来るだけ身近に感じてもらいたく趣向を凝らしております。

時には有志の生徒達によった、洋楽器や日常から馴染みのある生活用品などを使っての演奏を、逆に私どもが披露していただくなんて嬉しいサプライズを受けたり、或いは一緒に合奏させていただいたりといったこともしばしばあり、むしろ私どもも子供たちと一緒に楽しく勉強させていただいております。

年毎に会場を変えながら秋には観月祭、春には観華祭を催させていただいております。

会場は主にお寺となることが多いため、場所を提供してくださったお寺の檀信徒の方々や、その他にも足を運んでくださった近隣の住民の方々と一緒に、その年その年の季節の風情を雅楽を通じて楽しませていただいております。

我々は、雅楽を愛する団体であると同時に浄土宗の僧侶でもあります。それ故に、法要や式典に雅を添えさせていただくと同時に、雅楽を通じてお念仏の輪を広げるお手伝いをさせていただくこともまた、我々の役目であります。

晋山式や落慶法要、結婚式は勿論のこと。花祭りや十夜法要、五重相伝に葬儀式などなど。私達はその他にも様々な式典や法要へ、縁をいただいては度々お手伝いに行かせていただいております。

また、総本山知恩院（京都）にて4月に厳修されます御忌大会へは、京都楽所および宮城楽所と共に、日本雅楽保存会として毎年出仕させていただいております。

1988年の発足より二十と余年。おかげさまで本当に様々なご縁を結ばせていただき、今日では多種多様な方面からお誘いをいただける様になりました。

おかげさまで私どもは日々、貴重な経験をさせていただいております。